第31回「同性パートナーシップ認定制度がもたらしたもの」を開催しました!!

 

8/17(土)に、ウィズ・もとまちにて、第31回ダイバーシティ・トーク「同性パートナーシップ認定制度がもたらしたもの」を開催しました。

 

今回は和光大学教授の杉浦郁子さんをゲストスピーカーに迎え、近年導入する自治体が徐々に増えている「同性パートナーシップ認定制度」について、その意義や可能性・課題についてわかりやすくお話しいただきました。

 

 

同性パートナーシップ認定制度は、法的な婚姻制度とは違うため、法的効力がありません。

 

そうであるにも関わらず、パートナーシップを結ぶことが当事者たちにどのような変化をもたらしたのかについて松浦さんは研究されました。

 

その結果、パートナーシップ認定制度が導入されたことで、今まで自覚しなかったようなニーズ(たとえば、パートナーとの永続的な関係性に対するニーズや、生活上のニーズ)を当事者自身がはじめて意識するようになったという点などが明らかになりました。

 

 

後半では当団体の共同代表である前川と一緒に今回のテーマについて、会場も巻き込みながら議論を進めました。

 

その中では、婚姻制度に対する公的サポートの問題点についての議論も起こりました。

 

いまの日本では、婚姻制度に基づく家族を1つの単位として、そこに公的なサポートが与えられる形になっています。

 

そうなると、婚姻制度の対象から外れてしまうような人々(たとえば、一人で生きていきたいと考える人、1対1の性愛関係ではなく1対多数の性愛関係を築く人、友人同士で暮らして行きたいという人など)は、公的なサポートが受けることができなくなってしまいます。

 

そういったことを考慮すると、家族単位への支援ではなく、個々人への支援やケア関係への支援を行うべきなのではないか、といった話が出ました。

 

 

ここで、参加者の皆様からの感想を掲載します。

 

  • 「法的効力のない」制度であっても、そのおかげで自分たちの権利・生活上のニーズを言語化できるリソースになるという指摘に強く納得しました。
    またパートナーシップ認定制度の意義やその背景をわかりやすく説明していただき、非常に勉強になりました。

 

  • 今回、同性パートナーシップ認定制度の根拠から、制定されることによってパートナーとの関係性が深まったという話など、非常に勉強になりました。
    「結婚の特権性」についても自分でもっと学んでいきたい。

 

  • 性愛関係の特権化というお話にはっとさせられた。
    ケア関係の特権化ができるとよいなどの意見には目からウロコだった。

 

杉浦さん、参加してくださったみなさま、ありがとうございました。

 

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次回は、10/13(日)15時から福島市市民活動サポートセンターにて開催します。

 

テーマは「韓国の目に映る日本」です。

 

韓国近代史が専門の松谷基和さん(東北学院大学教養学部准教授)をゲストスピーカーにお招きし、戦後の日韓関係を振り返りつつ、今後の関係改善についてお話いただきます。

 

ぜひ、ご参加ください!